『追憶のかけら』貫井徳郎

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久しぶりに小説を手に取りました。

ご存知の方もあるかとおもいますが、本に関してはかなり男前な買い方をする私ですので、今回も著者名だけを見て購入しました。

彼の『慟哭』を読んだ時の衝撃が未だに忘れられません。

昨年、某ベストセラー作家がアプローチは多少違いますが、テーマが似た小説を発表され興味を持って手に取りましたが、私の中の評価では『慟哭』を超えることはありませんでした。

それぐらい惚れ込んでいる著者だったので、中身を見ることをなく買いましたが、寝不足をおして、一夜で読み終わった今、読後の満足感は予想以上でした。

とにかく上手い。

何より丁寧。

同じ様にある人生を追う男性を書いた某女流作家の偶然に頼り切った、共感も感情移入もしがたい小説シリーズ2冊に費やした『ただ読まされた』だけの時間が改めてもったいないと感じる程。
ただ、松嶋先生が巻き込まれていくことになる出来事をしくんだ人間のあまりにも幼稚で愚かな思考だけは共感しがたく思えましたが、 世の中案外そんな人種が増えて来た事も実感していたりもするので、ありえない事ではないなぁとも思えます。

そして、ただすれ違っただけの人と人もまたいずれどこかで絡み合う事もあり得る事を思えば、言葉一つや些細な出来事が人の人生を左右しかねない・・・そんな重みに押しつぶされそうになります。

また、信じる事を辞めることは相手だけでなく自分をも傷つける事でもある事。何より、自分を信じる事で手に入れられる事がたくさんあること。

忘れちゃいけない事を再認識しました。

貫井徳郎。

きっと次もこの名前を見たら迷わずに手にしていると思います。


Author rota

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