つないでいくもの

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私が、娘ぐらいの頃。

母はいつも何かを作っていました。

それは、仕事であったり、私の物であったり、父の繕い物であったり。

当時は、今とは比べ物にならないぐらい大きなミシンの下が私の遊び場で、編み機で使う毛糸のかせを巻いたり、ボタン付けに使う糸を何本も針に通すのが私の仕事でした。

もう少し大きくなると、母の手仕事を見ているよこで、私はあやとりを覚え、編み物に興味を持ち、針仕事を楽しむようになりました。
そんな日常で、カラフルな藤のお針箱を見るのが楽しかった私にとって、今こうして手作りを楽しむ日々は当然の事だったのかもしれません。

私の祖母も手仕事が大好きな人でした。

娘が寒い寒いと言っては羽織るのは亡くなった祖母が母へと作ったカーディガンです。

ゆるやかな編み目が祖母の人柄そのものの様な優しく丁寧なモノです。

遠くに住んでいる私の母を思いながら祖母が手をかけた物を私から娘へと大事にわたって行く様子に、皆が一様に嬉しく見つめています。

昨年末。

おせちを作っていた私に娘が言ってくれました。

『お母さんが知っている事全部教えて!』

料理も編み物も縫い物もお勉強も。

お母さんが知っている事を全部出来るようになりたい。

そういう、娘の瞳がキラキラととてもまぶしかったです。

かつて、ミシンの下で、母の真剣な姿を見ていた私のように、娘も私を見てくれていたんですね。

たいした事は教えてあげれませんが、出来る事はすべて娘へと注いで行けたらいいなぁと思っています。
今年手にしたお年玉を持って、彼女はフワフワとした黄色い毛糸を買いました。

初めて自分で選んだ毛糸で指編みをしてはほどき、と糸遊びをしています。

そんな様子を見ながら、いつか会えるこれから先の子供達に思いを馳せ、祖母や母や私が大事に思っていることが、ほんのエッセンス程にでも伝わって行けばいいなぁと心より願ってやみません。


Author rota

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